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五十嵐 慎一*; 原口 雅晴*; 相原 純; 齋藤 健*; 山口 憲司; 山本 博之; 北條 喜一
Journal of Electron Microscopy, 53(3), p.223 - 228, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:24.19(Microscopy)固相反応に伴う鉄シリサイドの形成と相変化を、透過電子顕微鏡を用いた平面観察により検討した。実験では、超高真空中にて室温でFeをSi(100)基板上に蒸着させ、その後、試料を電子顕微鏡内にて673-1073Kの温度範囲で段階的に昇温した。673Kでの加熱により、まず多結晶質のFeSi細粒が観察された。さらに973Kへと昇温するに伴い、細粒同士が合体を始め数100nmサイズの多結晶-FeSiが形成されることがわかった。こうした相変化は同時に行った電子エネルギー損失スペクトルの測定によっても確認された。
笹瀬 雅人; 岡安 悟; 倉田 博基; 北條 喜一
Journal of Electron Microscopy, 51(Supple), p.S235 - S238, 2002/00
照射イオンの電子励起によるエネルギー損失(-dE/dx)と円柱状欠陥の大きさとの関係を調べ、Time Dependence Line Source モデルにより円柱状欠陥生成に必要なエネルギー付与量を計算した。その結果、照射エネルギーの増加とともに電子励起によるエネルギー損失量が増加して、生成した円柱状欠陥の直径が8.4nmから16nmに増加することが明らかとなった。また、TEM観察の結果と電子励起によるエネルギー損失量をもとに、Time Dependence Line Sourceモデルにより円柱状欠陥生成に必要なエネルギー付与量(=電子励起によるエネルギー損失量)を計算した。その結果、イオン照射により付与されたエネルギーの1/3が円柱状欠陥生成に寄与していることが明らかとなった。
鳴海 一雅; 中嶋 薫*; 木村 健二*; 万波 通彦*; 齋藤 勇一; 山本 春也; 青木 康; 楢本 洋
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 135, p.77 - 81, 1998/00
被引用回数:38 パーセンタイル:92.28(Instruments & Instrumentation)高速クラスターイオンを固体に照射すると、非常に狭い領域に高密度の物質及びエネルギーを付与できるため、単原子イオンを照射する場合とは異なった効果が期待される。薄膜が2-17g/cmの炭素薄膜を透過した0.8MeV/atomのB,B,Bイオンのエネルギースペクトルを半導体検出器で測定し、2つのクラスター照射効果を観測した。まず、クラスターを構成する原子1個当たりの平均のエネルギー損失と0.8MeVのBイオンのエネルギー損失との薄膜依存は、薄い膜厚で1より大きくなり、膜厚が厚くなると1に近づくことがわかった。このことは、クラスターに対する阻止能が単原子イオンに対する阻止能を単に積算したものではないことを示している。また、測定に用いた半導体検出器の出力において、パルス波高欠損が観測された。これは、クラスターの持つ高いLETによって半導体中に高密度の電子・正孔プラズマが生成されたため、単原子イオンの場合よりも電子・正孔対の再結合の確率が高くなり、見かけの出力が小さくなったことによる。
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PNC TJ1603 97-003, 80 Pages, 1997/03
表記の研究は、原子力関連施設などで用いられている放射性ガスモニタ(以下「ガスモニタ」という。)の校正を容易にかつ高精度で行えるような方法・装置を開発し、測定精度などを検討・評価し、実用化を図ることを目的として昨年度から継続している委託研究である。ガスモニタの校正には、放射能強度を絶対測定する基準系と、ガスモニタを校正する校正系の二つのガスループを、サンプリング容器で介して結合した装置を用いる。校正系内の試料ガスの一部をサンプリング容器で基準系に分取し、基準系において長軸比例計数管内拡散法(DLPC法)を用いて測定した放射能強度を基準にしてガスモニタの校正を行う。本年度は、対数増幅器のような波高の抑制効果を持ち、分解時間が短く、かつ非常にシンプルな時定数変化型前置増幅器を開発して壁効果や低エネルギー損失を評価し、DLPC法を実用化できるようにした。またこれに基づいて、比例計数管を含む基準系に空気が入り込まない方法、被校正のガスモニタを含む校正系から基準系への試料の移行に伴う誤差を消去する方法を用いて通気型電離箱の校正を行い、その結果、得られた濃度換算係数の値は他の結果と極めてよい一致を示し、不確かさも99.7%の信頼率で1.5%以内に収まった。これにより本委託研究で検討したガスモニタの校正方法は、十分に小さい測定誤差でしかも簡便にガスモニタの校正が行うことができる非常に有効な方法であると言うことができる。
大道 英樹; 吉田 勝; 浅野 雅春; 長岡 範安*; 久保田 仁*; 片貝 良一*; Spohr, R.*; Reber, N.*; Wolf, A.*; G.M.Alder*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 131(1-4), p.350 - 356, 1997/00
被引用回数:20 パーセンタイル:81.03(Instruments & Instrumentation)機能性をもつ有機多孔膜の合成を目的として、核子あたり10MeVのエネルギーの各種の重イオンビームをポリエチレンテレフタレート、CR-39などの高分子フィルムに照射した。イオンを照射したときに発生する2次電子の寄与も考慮した限定的エネルギー損失RELとイオンの飛跡に沿った高分子フィルムの相対的エッチング速度Qとの関係を求め、高分子フィルムに円筒状の孔を形成する条件を見い出した。次に、重合体がゲルの性質を示すモノマーを多孔膜の孔の部分において放射線グラフト重合法により結合させた。この多孔膜を水中に浸漬したとき、結合したゲルの温度変化による膨潤・収縮現象に基づき、多孔膜の孔を水の温度により開閉できることを示した。この多孔膜を用いて、水、コリン、インシュリンなどの透過性を調べたところ、ゲルの相転移点付近で透過速度に急激な変化が起こることを見い出した。
森 千鶴夫*; 呉 幼陽*; 柳田 勝男*; 宮原 洋*; 揚村 寿英*
PNC TJ1603 96-002, 32 Pages, 1996/03
表記の研究は、原子力関連施設などで用いられている放射性ガスモニタ(以下「ガスモニタ」という。)の校正を容易にかつ高精度で行えるような方法・装置を開発し、測定精度などを検討・評価して、実用化を図ることを目的としている。ガスモニタの校正には、放射能強度を絶対測定する基準系と、ガスモニタを校正する校正系の二つのガスループを、サンプリング容器で介して結合した装置を用いる。校正系内の試料ガスの一部をサンプリング容器で基準系に分取し、基準系において長軸比例計数管内拡散法(DLPC法)を用いて測定した放射能強度を基準にしてガスモニタの校正を行う。本年度は、DLPC法によって得られる放射能強度の測定精度を上げるために要求される校正装置、周辺機器を作製した。サンプリング容器の体積測定、DLPC法における最適計数時間の測定、壁効果と低エネルギー損失の放射能強度への補正量の割合など、この装置を用いたガスモニタの校正に必要となる諸因子を評価した。また、定量性と簡便性を備えた試料ガスのシステムへの注入方法も検討した。来年度は、これらの結果をふまえて標準電離箱の校正を行い、今日検討している方法が有効であることを確認して、実用化に向けたガスモニタ校正装置の設計を行う。
荒 克之; 片桐 政樹; 伊藤 博邦; 坂佐井 馨
MAG-92-124, p.21 - 30, 1992/07
ディスク状Bi系高温超電導体試料に平面コイルを取り付け、交流励磁における磁束の侵入・透過特性を調べた。交流励磁がある強さになるまでは磁束の透過はゼロで、あるところから急に透過が開始され、急激に増大して飽和値に達する。飽和に達したあとは磁束の透過量は磁化電流に比例して増大する。磁束の透過が開始され飽和に達するまでの非安定領域と飽和に達したあとの安定領域における励磁界と透過磁束の波形を調べたところ、非安定領域では磁束の位相が90°近く遅れており、また安定領域ではあまり大きな位相差はないことが確認された。このことは非安定領域は超電導から常電導への遷移領域に相当し、大きなエネルギー損失が生じていること、安定領域では安定な常電導相が形成されて磁束の透過に必要なエネルギーは少ないこと、などが明らかになった。
白石 健介; 伊藤 洋
Advances in Superconductivity III, p.79 - 82, 1991/00
超電導体BaYCuOの電子エネルギー損失スペクトルを透過電子顕微鏡内での電子線照射による結晶組織の変化と対応させて調べた。入射電子線のエネルギーを200keVにすると、スペクトルの測定中に欠陥集合体が生じ、測定を繰り返すと酸素濃度及び試料の厚さが減少する。しかし、酸素のK吸収端周辺の微細構造は充分観察できる。すなわち、輝度を大きくして数回スペクトルの測定を行なった後でも、536eVの吸収端の低エネルギー側にある528eVのピークは明らかに認められる。さらにBaの786及び801eVのピーク及びCuの935eV付近のピークは電子線照射によってそれほど影響を受けない。入射エネルギーを200keVにすると、100keVのものに比べて質の良いスペクトルが容易に得られるので、BaYCuOの酸素のK-吸収端周辺の微細構造の結晶方位依存性の研究に利用できることが期待される。
古野 茂実; 北條 喜一; 出井 数彦; 神垣 信生*; 紀 隆雄*
Journal of Nuclear Materials, 155-157, p.1149 - 1153, 1988/00
被引用回数:27 パーセンタイル:89.96(Materials Science, Multidisciplinary)電顕に付設したイオン照射装置と動的観察装置を用いて、Heイオンを照射しながら、アルミニウム中に形成されるバブルおよびブリスターのその場の観察を行った。室温照射では、バブルの成長、合体は認められないが、300C照射の場合、フラックスのいかんに係わらず、照射量が10ions/cmを越える頃からバブルの成長が急速になり、合体し、破裂する。その破裂跡に再びバブルが形成され、成長、合体、破裂する。以上の過程をくり返すことを明らかにした。また電子エネルギー損失分析装置を用いて、バブル中のヘリウムガスの濃度を測定した。以上の結果を報告する。
山口 誠哉; 大山 幸夫; 前川 洋
JAERI-M 84-109, 33 Pages, 1984/06
FNS(核融合炉物理用中性子源)における実験では、T(d,n)He反応によって生じる中性子の絶対発生量は、非等方性を考慮に入れた随伴の粒子法により決定されている。厚いターゲットに対して、非等方性補正因子の計算を行い、誤差について議論した。ここでは、以下の項目について調べた。(1)T:-Tターゲット中での重陽子のエネルギー損失、(2)相対論的運動学、(3)ターゲット中でのトリチウム分布の非一様性。この計算により、非等方性補正因子は+-約1.5%の不確定性を持っており、それは主として重陽子ビームの衝撃によって生じるトリチウム分布の変化によるということがわかった。
木島 滋; 相川 裕史; 安積 正史; 星野 克道; 亀有 昭久*; 笠井 雅夫*; 狐崎 晶雄; 小林 朋文*; 松田 俊明; 宮 直之; et al.
JAERI-M 83-171, 39 Pages, 1983/10
かなり大きな間歇的エネルギー損失を伴う独特のアクティビティーが、中性粒子入射加熱時のタブレットIIIトカマクにおいて、しかも専ら閉じ込めの良い(Hモード)放電時に観測された。pの上昇と共に、幅2-5msで約10ms間隔をもつ周辺リサイクリング光の大きなバーストの繰り返しが見られる。1回のバーストによってはき出されるエネルギーは蓄積全エネルギーの少くも2-3%に相当すると見積れる。この周期的なエネルギー損失は、プラズマ・エネルギーの最終到達値にして10%程抑制されている事に相当する。バーストに先立ち、ダイバータ部に大きなピークをもつ約20kHzでm=n=0の大きな磁場の揺動が観測された。これ以外に、全運転領域を通じて一般的に閉し込めの劣化或いは改善を支配していると思われるような特別のアクティビティーは観測されていない。
東稔 達三; 山本 孝*; 谷 啓二; 喜多村 和憲*
Journal of Nuclear Science and Technology, 18(9), p.684 - 696, 1981/00
被引用回数:2 パーセンタイル:36.89(Nuclear Science & Technology)トカマク炉において、トロイダル磁場リップルが高エネルギーで入射された中性粒子ビームのエネルギー損失に及ぼす効果を、モンテ・カルロ法による軌道計算法により検討した。プラズマ密度が高くて平坦な分布の場合エネルギー損失は高くなり、プラズマ加熱時においてはプラズマが点火条件に近づくと特に損失が大きくなることが見出された。許容されるリップル値との関連で、トロイダルコイルの数と大きさの選択基準を、プラズマ寸法およびブランケット、遮蔽と保守維持のために必要な空間の観点から検討した。炉の基本寸法としてはINTORのパラメータを採り上げた。
森山 昇; 佐藤 章一; 池添 康正; H.Y.Lee*; 団野 晧文
Journal of Nuclear Science and Technology, 13(7), p.365 - 371, 1976/07
被引用回数:0エチレンを気相化学反応系とした場合のU-Pd合金箔燃料からの核分裂片の脱出率、燃料とエチレンとを含んだステンレス製カプセル中における核分裂生成物の分布を測定した。Ba-Laの脱出率は69%であり、この値は重核分裂片に対して理論的に求められた値70%に対応し、よい一致を示した。気相中に見出された核分裂生成物はI,XeおよびXeのみであり、これらの挙動についての検討も行なった。本研究により核分裂片による気相化学反応の除染の問題は、I,Xe,Krを考えればよいということが示された。
佐藤 忠*; 平山 俊雄; 前野 勝樹; 藤沢 登
JAERI-M 6577, 16 Pages, 1976/06
シリコンサーミスターと焦電効果素子を使用して、荷電交換による高速中性粒子と放射による損失、すなわちプラズマが壁に放出するエネルギの想定が可能となった。測定した結果によると、平均電子密度一定の条件では、プラズマ電流が増加するに従い、プラズマへの入力エネルギに対する壁への損失の割合は低下する傾向である。またプラズマへの入力エネルギに対する壁への損失の割合は、放電条件に依存し、20%~100%に達している。
曽根 和穂
JAERI-M 6293, 42 Pages, 1975/11
プラズマと真空壁表面との相互作用の研究にとって不可欠なパラメータであるイオンのエネルギー損失、飛程およびそのストラグリングの計算を行い、その結果を一覧表にして示した。計算はLindhardらの確率論的な方法に基くものである。また、イオンについては、0.1~20keVのエネルギーを有する軽イオン(H、D、T、He)を選んだ。またこれらの高速イオンの照射によって生み出される格子原子のはじき出し損傷に関して、損傷効率および平均的なDPA値の計算値も同時に示した。本計算のために作成したプログラムも巻末に掲げた。
畑 健太郎; 馬場 宏; 馬場 澄子
JAERI-M 5558, 128 Pages, 1974/02
荷電粒子の飛程および無限厚さのターゲットに対する核反応生成量(Thick Target Yield)を計算するためのコードTYIELDを開発した。計算の対象となりうる入射粒子の種類は電子と陽電子を除く原子番号10までの荷電粒子に限られ、そのエネルギーは陽子相当で2MeVから500GeVの範囲に限られる。これらの制限は飛程の計算上の制約によるものである。ターゲットの種類はあらゆる元素、化合物、あるいは混合物について有効である。計算に必要な記憶容量は62K語、一反応あたりの所要時間はCPU専有時間にして2分以下である。附録としてフォートランリスト、全元素に対する陽子の飛程の計算値、218種類のラジオアイソトープの製造に有用な荷電粒子反応に対するThick Target Yieldの計算値、および励起関数データを載せた。